2009年9月14日月曜日

また会う日まで 木下

素浪人ワルツの旅~韓国・春川編~は無事に終わりました。
インフル騒動もなんのその、3回公演ともたくさんのお客さんに喜んでもらえました。

初めて海外でやる作品は不安です。それも僕にとって初めて「字幕」のある芝居。会話劇というわけではありません。敢えて言えば、身体表現のような会話。即興性を伴ったやりとり。果たして「字幕」で対処できるのか。
結果、通訳と字幕とハングルの三本立ててやりました。即興的に喋るところは通訳で、しっかりと聞かせる部分は字幕で、役者が一番お客さんに近づきたいポイントだけハングルで。まあ、喋るのはほとんど安元さんで、安元さんの役は「安元」なので、そのへん、うまくいったのではないでしょうか。改善はあるにしろ、彼女の肝は3段階くらいあがったようです。

いいむろさんとKちゃんの身体表現とザッハの音楽、そしてキヨちゃんの映像においちゃんの照明は、ますます密接になったと思います。毎ステージ違う形になるのに、毎ステージクオリティがキープされていて、毎ステージ発見があり、だからこそみんな毎ステージへろへろになる。ロングランができる作品であることが立証されたように思えます。僕らはこの作品をこれからもまだ続けていくんだろうなあと確信しました。

なんていうか、このように、僕はかなりプロデューサー目線になってしまっています。サーカス団の団長の気分です。演出家として、やり残してることはないのかと問われれば、不思議なことに「これはこれでいいんじゃないだろうか。完成させるということが目標ではない作品ってあるんじゃないだろうか」と思っています。こんな作品は初めてかもしれません。

あ演出家として今回、貴重な経験をさせてもらいました。ワークショップ。参加者は韓国人だけかと思いきや、ふたを開けてみると、ロシア人にクロアチア人まできました。彼らはこの演劇祭に招聘されている別のカンパニーの人たちです。総勢30人以上。
通訳は日本語→韓国語→英語→ロシア語と順番にされていきます。まるで格安航空券の旅です。これではなかなか前に進まないので、途中からは言葉はなしでいきました。いいむろさん、ザッハさんのおかげで、わずか3時間なのに最後はミニ作品を発表できるまでいきました。これが最高に面白かった!!日本で僕がやってる方法が伝わったこともうれしかったし、それがこんな風に解釈されて立ち上るんだという異種な驚きに感動しました。同時に、言葉は伝わらなくても伝わることの多さに改めて驚きました。

そういう当たり前のことが身にしみるというのは何にも増して貴重なことです。

それではまた会う日まで!素浪人は次はどこに行くのかな?

ただいまー。

春川から、無事戻りました。安元美帆子です。

初めての海外公演。初めての韓国。

インフルエンザによる演劇祭中止、なんていう驚きのニュースで、もーう
ほんまにどうなることやらの旅の始まりでしたが、
いやいやいや、
本当にすばらしいツアーでした。

副音声担当の私としては、
韓国語を話せるようになる!ていうところから、公演準備が始まりました。
韓国語堪能な、制作の川手さん&井上さんに
文字の書き方や発音を教えていただきまして、
オープニングと中盤の歌「恋は八合目」とを(ヨチヨチ歩きながら)
韓国語で暗記し、
それ以外のせりふは日本語で、
韓国語の字幕を舞台背面に投影することになりました。

そ・れ・が!
初日、オープニングの「アンニョンハセヨー」を言った後、
頭が真白になってしもて。
なんとか思い出して、続きをしゃべりましたが、
いやー、あんなことがあるのね・・・。(どんだけ緊張してんねん!)

上演を重ねるにつれ、食事を一緒に取るにつれ、現地スタッフとうちとけて。
彼らの心づくしとパワーに助けられ、無事、公演を終えることができました。
最終のレセプションでは、韓国スタッフが「恋は八合目」を一緒に歌って
くださって、ほんっとに嬉しかった。(ザッハトルテの伴奏も嬉しかった!)

言葉を使う作品だけど、言葉の壁はなんとかなる。
結果的には、字幕すら、舞台装置の一つのようであり。

「素浪人ワルツ」は、私にとって特別な作品です。
皆さんのすごい技術の裏で、私の悩みや揺れが、私自身が、そのまま
作品に載っている。

もっといろんなところでいろんな人に見ていただきたい。
いいむろさん、kちゃん、ザッハトルテのみなさんをはじめ、
このプロジェクトチームでまた乗り出して行きたいです。
どこへでも!
よっしゃー、こうなりゃ何語でもがんばるよ!
もちろん、日本でも再演できたらいいな。


安元美帆子

2009年9月9日水曜日

カムサハムニダ!!

木下です。
とりあえず無事に、千秋楽を迎えました。
韓国のみなさま、日本からわざわざ来てくれた方々、ありがとうございました。
今日はワークショップ。これも楽しみ。

死ぬほど甘いコーヒーと死ぬほど辛い料理が、生きる喜びになってる今日この頃です。カムサハムニダしか出てきませんが、まあ言葉なんて、付け合わせ程度のものだと思って、コミットしてきます。

とりあえず、公演は終わった!!

2009年9月8日火曜日

素浪人ワルツ@韓国春川!

ウォーリーさんが公演後飲みに出ちゃってるので、今日のブログはいいむろが担当しますね。
なんて言ってたら、ウォーリーさん帰ってきた…あ、ゴロン…寝ちゃった!てか寝るのはやっ!
部屋に入ってきてから1分以内に熟睡に入った人、初めて見たわ。

さて、素浪人ワルツ@韓国・春川は今日2日目。
初日、2日目とも僕らが心配していたようなお客さんが少ない状態はなく、盛り上がっています!
作品の内容もブラッシュアップされてイイ感じ。

食べ物はおいしいし、韓国の人たちもよくしてくれるし、劇場の裏はすぐに山で自然がいっぱいだし…春川(チュンチョン)いいところですね。

明日はいよいよ最終日。
そして翌日はワークショップ。

今日はちょうど折り返し地点かな?
さぁ、明日からもみんながんばっていこう!


いいむろなおき

2009年9月7日月曜日

初日終了!!

初日が終わり、ダッカルビ(こっちの発音だとダカンピ?)とマッコリの夜が終わり、そしてお昼ご飯はいつもの定食屋でたらふく、二日目の今日は入りが遅いので少しのんびり。

素浪人ワルツ、初めての韓国人相手、初めての外国、初めてのツアー。そもそも理解されるのか?
この芝居のこの独特な感じ、ライブ感、という曖昧なものを明確に作ろうとした方法は、はたして受け入れられるのか?

インフルエンザの影響で客の入りが心配されてたけど、客席はかなり埋まって、まずはほっと一安心。で、一番最初にメンバーがぞろぞろと舞台に入ってきて安元さんがみんなを紹介するシーンがあるんですが、そこで事件はおきました。
まずは安元さんがセンターマイクで自己紹介。今回は最初だけハングルでやることになっていました。この数カ月、韓国語を特訓し、それなりにすらすらと喋れるようになっていました。
で、登場し、マイクに向かって一言「アニョハセヨ」と言った途端、「待ってました!」的な「アニョハセヨ」コール。日本でもあり得ない拍手。おおこれはのりがいい、と僕はオペ席でほっとしたのですが、舞台上を見ると、その意外なリアクションに安元のハングル頭脳がショートし、次の言葉がまるっきり出てこなくなっていました。
僕はひさしぶりに舞台上で真っ白になってる女優を見ました。それもまだ始まってもいない段階で。
観客は固唾をのんで次の言葉を待っています。しかし安元さんは「ハジョハジョハジ」という謎の呪文しか出てきません。
すると、優しい韓国人たちは、応援をはじめました。優しいので、あくまでも小さく応援です。そのことで安元さんの硬直はほどけ、にこっと笑ってから、韓国語で喋りはじめました。危機一髪です。

そのあとはいわずもがな。1時間20分のステージは、韓国の人にも満足してもらえました。

残り2ステ。まだまだ楽しみたいな。

木下

2009年9月5日土曜日

素浪人ワルツ韓国公演仕込み!

いいむろなおきです。

昨日はインフルエンザの影響で演劇祭中止・・・それに伴って9日の公演が中止になるという残念なニュースから一夜、僕らは予定通り6日の初日に向けて舞台の仕込み!

4回公演の予定が3回になってしまったのは残念だけど、中止になった公演の代わりにワークショップというかたちでお客さんや韓国の俳優仲間と触れ合えるのは結構楽しみだ。

さて、今回の「素浪人ワルツ」、音響・照明・映像だけでも大変なのに今回は「字幕」まである!
まぁ普通のお芝居に比べれば台詞の量は少ないけど、どのタイミングでどこまで出すか・・・即興的なシーンはどうするのか・・・僕らの演技に合わせて結構計算しないといけないから大変だ~

いよいよ、素浪人ワルツ@韓国・春川(チュンチョン)はじまるよ~♪

2009年9月4日金曜日

木下の独り言

ウォーリーです。いやあ、いろんなことがありますね。
一か月ニュースを見てなかったのでインフルエンザが再流行してることすら知らなかった。寝耳に水、たまげました。といっても韓国に今もう着いちゃってます。春川の街は、あいかわらず美しいです。人々はインフルエンザのことなど誰も気に止めてはいないようです。しかし政府が決めたことなので僕らにも、演劇祭の人たちにもどうすることもできません。水の流れを下から上にすることができないのと同じで。それはもう受け入れるしかありません。三回公演ができることを感謝しなくては行けないのでしょう。でももしも日本から9/9(水)に見にこられる方があればそれは本当申し訳ない気持ちで一杯です。なにができるかはわかりませんが、ご一報ください。

劇場に着くと舞台は出来上がっていました。
この演劇祭の実行委員の人たちは、おそらく世界のどの演劇祭の実行委員の中でもパワフルでそして真摯で粘り強い人たちです。
彼等のためにもできる公演を精いっぱいがんばりたいと思います。

僕らは皮一枚のラッキーで、公演は3ステージうてることになりましたが、実はロシアとクロアチアとブルガリアから来るカンパニーは丸々公演中止になりそうだということです。彼等の心境もまた察するにはあまりあるものです。
しかし彼等もまたワークショップをしたり、別の公演を行うなど今考えてるそうで、転んでもただでは起きない、同じ演劇人として見習い応援したいと思います。

そうそう、9/9(水)は公演は中止になりましたが、代替案として僕らもワークショップを開くことなりました。その名も「素浪人ワルツを一緒に踊ろう(仮)」。9/9(水)2時~5時です。もし韓国でそういうのに興味がある方がいればぜひとも参加してください。僕らもまたただでは起きません。
詳細はまたおってアップしたいと思います。

韓国着いてからまだ8時間くらい。この騒動のせいでかなりバタバタしてますが、みんな元気です。初演はプロデュースって感じの雰囲気でしたが、今はカンパニーとして「一心同体」になっています。それは昨日の最終リハーサルを見ても思いました。初演よりもこれ面白いです。
これからも「素浪人ワルツ」応援よろしくお願いします。

ウォーリー木下

「素浪人ワルツ」韓国公演 9/9(水)の公演中止のお知らせ

新型インフルエンザの猛威により、韓国政府は大規模な催し物の中止を勧告いたしました。「素浪人ワルツ」が招聘されていた9/9(水)より始まる春川国際演劇祭もその一つとして、中止を余儀なくされたようです。
不幸中の幸いというか、「素浪人ワルツ」は9/6(日)~8(火)の3ステージはプレビューとして予定されていたことなので、開催は可能になりましたが、9/9(水)のみ公演中止となりました。
下記に公演スケジュールを記載いたします。

9/6(日)19:30~ 開催
9/7(月)19:30~ 開催
9/8(火)19:30~ 開催
9/9(水)23:00~ 公演中止

素浪人ワルツ公演事務局